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低フォスファターゼ症とは
========================== 私は、サラリーマンです。私は無線関連機器の開発会社で総務経理全般の仕事をしております。 私も医師のお話や、資料を集めていろいろと病気の内容を調べましたが、医学の基礎知識がないので難しい事はわかりません。でもその病気を持つ乳児の親として、その病気ってどんなものなのか、経過はどのようになるのか等知りたいと強く思いました。そこで、経理屋の私ではありますが私なりにこの病気をまとめてみました。 我が子のケースは「乳児型」です。 <病気の原因>
●遺伝子による発病というのが有力。
私たちは2つの骨ALP遺伝子を持っています。両親から1つずつの骨ALP遺伝子を継承します。低フォスファターゼ症の患者は骨ALP遺伝子の両方とも欠陥(劣性遺伝子)を持っています。従ってALPは作られないか、不完全になります。2つの骨ALPの遺伝子の1つが不完全(劣性遺伝子)であった場合は健康です。(キャリアと呼ばれます。)
我が子の場合は父が持っていた劣性遺伝子と母が持っていた劣性遺伝子を継承して2つの劣性遺伝子が揃ってしまったのです。
キャリア同士の親から子供へ遺伝する確率は1/4です。<優+優、優+劣(キャリア)、劣+優(キャリア)、劣+劣(低フォスファターゼ症)> 元気な娘2人はキャリアであるか、全くの健康であるかのどちらかです。
<治療方法>
●現在は低フォスファターゼ症を直す治療方法はありません。
対処療法といってそれの病気により引き起こされる状態を、1つ1つ正常な状態にしていく方法をとります。この病気のケースは口から採ったミルクのカルシウムが骨に吸収されず血中に流れ出して、「高カルシウム血症」を患います。よって、カルシウムを抑えるために、低カルシウムミルクを飲んで血中のカルシウム濃度をコントロールしています。この高カルシウム血症が体に悪さをします。体をだるくし、食欲を無くし、最終的には腎臓に石化を起こし死に至ります。また、食欲不振により病気に対する免疫も弱くなります。風邪が悪化し肺炎になり死亡するケースが最多です。風邪には付きそう我々も院内感染に対しても注意が必要です。(我が子は個室を与えられました。)そういった合併症を1つ1つ乗り越えていくことになります。その間に、いかに「破骨細胞を抑え」、「骨芽細胞を活かす」が生存につながる重要なポイントだと思います。 ●症状は個人によってすべて異なります。
うちの子の場合はミルクを吐くことが多かったです。
国内で私が得ている症例は、吐く事はほとんどなかったのですが、多呼吸(80回/分)であり、やがて狂頭症の手術を受けました。
アメリカのメールをくださったお母さんの子は、水頭症のシャント手術やヘルニアの手術をしたそうです。
Journalに書かれたアメリカの生存した子の症例は2週間の入院以外は通院で治療したそうです。
サウジアラビアの症例ではほとんど治療しなくて生存につながったケースもあります。 よって、このホームページの症状やデータの内容がすべて他の子の症例に当てはまるものではありません。「医者でない我が子を看病した私」の推測ですが、肺炎だけでも患わなければ、呼吸障害に遭遇してもその山場をクリアできたのかもしれないと思います。しかし、その山場を「気管内挿管」でクリアしても、骨芽細胞が自然に活きてこないケースで、小さい体のままただ生き続ける可能性もあるという情報もあります。
<我が子の場合>
●発病の時期も、周産期、乳児、幼年期、大人とあるそうです。
分娩時発症はほとんどが死産の率が高いようです。うちの子の場合は分娩時までは骨が作られていました。生まれたときは見たところ何も変わりはありませんでした。母胎から養分をもらっていたときは正常でしたが、生まれた瞬間、自分で作る段階になって、ALPが働かないことで骨が出来ない可能性が高いです。(なるあきの場合それは骨だけでなく肺とかの臓器の発育も悪かったと思います。)
<同じ事例>
国内外で同じ乳児時期にこの病気になり現在も元気に生存している子の事例の情報がいくつかあります。1つは我が子と症状は似てはいますが、大きな違いが1つ、ALPの数値が、元気な子の方が成人の標準近くまではあることです。
また、アメリカでは小児科のJournalの論文に載せられてあり、我が子はそれを元に治療をしました。ALP数値は39IU/mlと我が子の数値にかなり近く、身長が同じ年の子よりやや低いくらいで他は何も変わりなく生存しているそうです。我が子も「奇跡が起きる!」ことを深く願っています。
Webで調べたり、話を聞いていると、事例が少ないのではなく、同じ病気になる乳児は世界に少なくないようです。ただ、病気の発見や処置が遅れたり、肺炎を患い死亡するケースが多いため、生存するケースが少ない=情報が少ないと私は考えます。
私共も最初に告げられた時、「この子のどこが難病なの?」と言う意識でした。すぐ入院という医師の言葉に疑問も持ちました。もし、医者から「低フォスファターゼ症」と診断されたら、素直にその病気を受け入れ治療にあたることが大切だと思います。
<将来>
いろんな苦難があると思いますが、それを乗り越えて月日を経ていけば生存率は高まると言われています。
とにかく、風邪や肺炎等の合併症に気をつける事が一番大事な事です。私も特に病院で入院していなければ治療できないということもなかったので、生まれて2ヶ月頃までは外泊許可をいただいては自宅に連れて帰りました。
我が子は夏に生まれ、秋に母親からの免疫がなくなる時期を経て、冬に生後6ヶ月を過ぎ呼吸障害を患いました。風邪を引かせないほうが難しい環境と条件が揃ってしまいました。6ヶ月近くまでは風邪をひかせない処置を徹底的にすることをお勧めします。生存する率が高くなると思います。
日本で現在4才の子、アメリカで6歳の子で元気な子(2001年現在)は、やはり骨の発達に関する病気なので、身長がどの程度かはわかりませんが、標準より低いと聞いております。でも平均には遅れますが首がすわり、お座りし、歩き出すことが出来ると聞いております。また、カルシウムコントロールも必要なくなり普通の生活ができるそうです。
<合併症との闘い>
- 生後4ヶ月で肺炎・・・一時的にクリア
- 生後6ヶ月で水頭症の疑い・・・自然に症状が改善される
- 慢性肺炎・・・肺のリハビリで治療
- 呼吸障害・・・クーリングと酸素吸入で対応
この病気は、低フォスファターゼ症との闘いではなく、免疫力を落とした子供がよくかかる病気(合併症)との闘いがすべてだと感じています。低フォスファターゼ症で生存するケースはそれらの病気(合併症)をクリアして、自然に骨の沈着が改善されるケースが多いです。
<キーポイント>
国内で生存事例のあった医師は「あせりは禁物」と何度もおっしゃられていました。私もその意味がようやくわかってきたような気がします。
私は、この病気の転機はまず6ヶ月だと思います。いろんな(限られていますが)文献を見るとどうも6ヶ月を経過すると、それから先は自然に血中カルシウムの数値も安定し、吐き気も修まり(我が子の場合)、ミルクの飲む料も増え、生存する率が非常に高まると詠みました。それがクリアできると伸び悩んだ体重も増えていく(骨芽細胞が働きだす)と思われます。ただしすべての患者がそうなるとは思いますせん。例外もあるということは心しなければいけません。我が子も6ヶ月を過ぎて嘔吐が止まり、ミルクの飲みがよくなり、普通ミルクでも血中カルシウムが上がらなくなりました。しかし、肺炎以降、風邪を引いてタンが出ています。それが呼吸気管に悪い影響を与えています。
***「低フォスファターゼ症」についての情報をください。***
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